【ニュージーランドワイン】マールボロだけじゃない!10の生産地

ニュージーランドのヴィンヤード景色

ニュージーランドワインといえば

マールボロ産ソーヴィニヨン・ブラン
セントラル・オタゴ産ピノ・ノワールが有名です

それ以外の栽培地域や、品種はいかがでしょうか?
パッと思い浮かびますか?

輸出の大半がソーヴィニヨン・ブランという事実からも
必然と日本で目にするニュージーランドワインの種類は限られるかもしれません

しかしながら
ニュージーワンドには現在10の主要産地があり
品種も様々

この記事では
ニュージーランド国内に点在するそれぞれの産地とその特徴を解説します
代表的な栽培品種やおすすめのワイナリーなど、ニュージーランドワイン選びに役立つ情報満載です

ニュージーランド在住、ワインが大好きな筆者がワイナリー勤務やワイン飲歴の経験をもとにまとめます

目次

ニュージーランドの主要ワイン産地マップ

ニュージーランドのワイン産地は
北はノースランドから南のセントラル・オタゴまで1600キロに渡っています

主要な産地が北島、南島にそれぞれ5つあります

ニュージーランドのワイン産地10

ニュージーランドのワイン産地〜北島

栽培面積の多い順に見ていきましょう

ホークスベイ Hawke’s Bay

テマタワインのテイスティング
シュナンブラン

ホークスベイは、ニュージーランドで2番目に大きなワイン産地です
最大産地はマールボロ

温暖で乾燥した気候に恵まれ、日照時間も長いため、ボルドー品種やシラーの栽培に適した地域です
実際に、国内で生産されるカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラーの多くはこの地域で造られています

土壌のタイプや畑の方角、標高に多様性があることから、ワインのスタイルも非常に幅広いのが特徴です

一方、栽培面積が最も広い品種はソーヴィニヨン・ブランシャルドネです

ソーヴィニヨン・ブラン 1,035ha
シャルドネ  1,034ha                 
メルロー 844ha
ピノ・グリ 657ha
シラー 317ha

ホークスベイのおすすめワイナリー

テ・マタ Te Mata Estate
クラギー・レンジ Craggy Range
イーストホープ Easthope

ギズボーン Gisborne

ギズボーンはNZ最東端で、国内で1番日照量が長く、気温も高くなります

生産ワインのほとんどが白ワインで、その中の半分近くがシャルドネです
シャルドネの首都

シャルドネ 498ha
ソーヴィニヨン・ブラン 357ha
ピノ・グリ 255ha
メルロー 23ha

ギズボーンのおすすめワイナリー

ミルトンヴィンヤーズ Milton Vineyards & Winery
マタウェロ Matawhero

ワイララパ Wairarapa

アタランギのセラードア
ワイナリーでテイスティング

サブリージョンマーティンボロの気候がブルゴーニュと似ているとの研究結果や
実際にブルゴーニュから枝が持ち込まれたこと
素晴らしいワインを造った結果
ワイララパよりも世界的に有名なサブリージョンとなリました
横浜や名古屋みたいな…

山に囲まれていて、日中の気温は高くなるものの、夜はグッと下がることで
ブドウの酸は失われず
高品質なワインを生産するブティックワイナリーが点在しています

アタ・ランギのヴィンヤードハウスでの宿泊体験はこちら





ピノ・ノワール 517ha
ソーヴィニヨン・ブラン 416ha
シャルドネ 63ha
ピノ・グリ
48ha

ワイララパのおすすめワイナリー

アタ・ランギ Ata Rangi
ドライ・リヴァー Dry River

オークランド Auckland

クメウワインのボトル
クメウのワイナリーの樽

ニュージーランドで最も古いワイン産地のひとつであるオークランドは
国内最大規模のワイン会社の拠点として知られる一方で、質の高いブティックワイナリーも点在しています

この地域のワイン造りは
1900年代初頭にクロアチア、レバノン、イギリス出身の情熱的な生産者たちによって築かれました

広大で地理的に多様なオークランドのワイン産地は、ワイヘケ島、歴史ある西オークランド、そして北の沿岸部マタカナという、3つの個性豊かなサブリージョンから成り立っています

力強く凝縮感のある赤ワイン、特に北部やワイヘケ島で造られるブレンドワイン(ワイヘケ島ではエキサイティングなシラーも注目されています)、さらに世界レベルのシャルドネや上質なアロマティックワインなど、現代のオークランドのワイン産業は今なお輝きを放ち続けています

シャルドネ  64ha
シラー  48ha
ピノ・グリ  32ha
メルロー
  32ha

オークランドのおすすめワイナリー

クメウ・リヴァー Kumeu River

ノースランド Northland

ノースランドはニュージーランドの最北端の地域です
細長く、海から50キロメートル以内で、ほぼ亜熱帯気候

栽培面積は決して広くないですが
ニュージーランドワインの起源として歴史的なエリアです

1819年に初めてブドウが植えられたケリケリ
1836年に初めてワインが造られたワイタンギが含まれます

シャルドネ 20ha
シラー 14ha
ピノ・グリ 11ha
メルロー
6ha

ノースランドのおすすめワイナリー

ザ・ランディング The Landing

ニュージーランドのワイン産地〜南島

マールボロ Marlborough

樽の上に並んだクラウディベイワイン
ワイルドソーヴィニヨン

ニュージーランド最大のワイン産地です

3万ヘクタールのブドウ畑から
国内生産量の約2/3ワインを造っている地域です

涼しくも日照量の多い気候、少ない降雨量、排水性が良く、適度に肥沃な土壌の組み合わせにより
マールボロは独特で鮮やかなワインを生み出しています

1980年代、マールボロは他に類を見ないソーヴィニヨン・ブランで
ニュージーランドを国際的なワインの舞台に押し上げました

ソーヴィニヨン・ブランだけでなく
エレガントなピノ・ノワールや力強いシャルドネ
鮮やかなアロマティックワインまで、多様な品種を生産しています

多様な土壌とメソ気候は新たなサブリージョンを生み出しており
今後も目が離せない地域です

ソーヴィニヨン・ブラン 25,157ha
ピノ・ノワール 2,491ha
ピノ・グリ 1,258ha
シャルドネ
1,077ha

マールボロのおすすめワイナリー

グレイワッキー Greywacke
アストロラーベ Astrolabe

セントラル・オタゴ Central Otago

バーンコテージのピノノワールテイスティング
美しいリッポンヴィンヤード

壮大な風景と洗練された観光文化を誇るセントラル・オタゴは
世界でも屈指のピノ・ノワールの産地であり
印象的で鮮やかな白ワインでも有名です

主要なワイン産地のサブリージョンはすべて近接しており
独特の山岳地形がそれぞれにユニークな気候、方角、高度を提供しています

セントラル・オタゴではピノ・ノワールが豊かに育ち
多くのサブリージョンで多様で美しい表現が作り出されています

この地域はまた、優れたシャルドネや芳香豊かな品種のワインの生産地としても知られています

歴史的に「ワイン造りに非常に適している」と評価され(ブラガート、1895年)
1881年のシドニーで「ブルゴーニュ」ワインで初の金メダルを獲得しました
1950年代には石果の栽培が主流でしたが、1970年代にワイン造りの先駆者たちが力を入れ始め
現在もシャード・ファーム、リッポン、ギブストン・バレーといった名のもとにその伝統が引き継がれています

セントラル・オタゴは観光の拠点でもあり、優れたワイナリーの試飲施設やワイン観光のアクティビティで訪問者を魅了しています。1800年代のゴールドラッシュの名残を残す渓谷には、そびえる雪山やきらめく川があり、遠方から多くの観光客を引き寄せています

ピノ・ノワール  1,765ha
ピノ・グリ  171ha  
シャルドネ  105ha
リースリング  54ha 

ソーヴィニヨン・ブラン  40ha 

セントラル・オタゴのおすすめワイナリー

フェルトン・ロード Felton Road
バーン・コテージ Burn Cottage

ノース・カンタベリー North Canterbury

ベルヒルでピノノワールテイスティング
ペガサスベイのピノノワール

ノースカンタベリーのワイン産地は、南島の東海岸に沿って約200kmに広がり
西には壮大なアルプス、東には太平洋が広がっています

冷涼で乾燥した気候と良好な日照、そして長い生育期が品種の個性を最大限に引き出し
この地域のワインはその強い風味、豊かさ、複雑な果実味で知られています

ノースカンタベリーからウェカパスに向かう内陸の新たなサブリージョンの開拓が進んでおり
特にピノ・ノワール、シャルドネ、芳香豊かなワインの優雅で表現力豊かなスタイルで
地域全体の評判がさらに確立されつつあります

ソーヴィニヨン・ブラン  465ha
ピノ・ノワール  411ha
リースリング  258ha
ピノ・グリ  222ha
シャルドネ
  92ha

ノース・カンタベリーのおすすめワイナリー

ペガサス・ベイ Pegasus Bay
ベル・ヒル Bell Hill
フォラジャー Forager 

ネルソン Nelson

ノイドルフのアルバリーニョ
美しいビーチ

ネルソンは南島の北端に位置し、晴天率が高い美しい街です
日照時間が長く、沿岸に守られた温暖な気候と排水性の良い半肥沃な土壌の恩恵を受けています

1970年代にセイフリードやノイドルフが
この地にワイン産業の基礎を築きました

生産量はソーヴィニヨン・ブランが一番多く
ピノ・ノワールシャルドネ
そしてアロマティックなワインも造られています

ソーヴィニヨン・ブラン 613ha
ピノ・ノワール 157ha
ピノ・グリ 114ha
シャルドネ
109ha

ネルソンのおすすめワイナリー

グリーンホフ Greenhough
ノイドルフ・ヴィンヤーズ Neudorf Vineyards

ワイタキ・ヴァレー Waitaki Valley

オタゴの北、カンタベリーの南に位置するこの地域は
2001年に最初のブドウの樹が植えられた、栽培面積こそ大きくはないものの注目を集める新興産地です

複雑な石灰岩、グレーワッキ、片岩の土壌が、冒険心あふれる熱心な生産者たちを引きつけています
特に石灰質土壌は、この地域のワインに明確な個性を与えています

気候は、暑く乾燥した夏、寒い冬、そして乾燥した長い秋が特徴で、ブドウはゆっくりと成熟します
ピノ・ノワールに加え、表情豊かなアロマティック系白ワインも注目されています

ニュージーランドを代表する大河のひとつ、ワイタキ川は
東に冷たい南太平洋、西にはそびえ立つサザンアルプスに挟まれ
最高峰アオラキ/マウント・クックからの雪解け水を受けて流れています
この壮大な自然環境もまた、この産地のワインの背景を形づくっています

ピノ・ノワール 20ha
ピノ・グリ 15ha
シャルドネ 7ha
リースリング 5ha

ワイタキ・ヴァレーのおすすめワイナリー

ヴァリ Valli

ニュージーランドのワイン産地まとめ

ニュージーランド全体に広がる10の主要産地を見ていくと
それぞれの土地の気候や土壌、地形に合わせて、異なった品種が栽培・醸造されていることが分かります

フレッシュで分かりやすい魅力を持つワインから、産地の個性を丁寧に表現した奥行きのあるスタイルまで
その幅は年々広がっています

ぜひ、まだ出会ったことのない産地のワインにもトライしてみてはいかがでしょうか

出典:New Zealand Winegrowers

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